2018年11月16日(金)、現役歌舞伎役者の中村梅乃さん(初代)にお越しいただき、たくさんの興味深いお話をお聞きしました。特に、今回は女性の方々が多かったことが特徴で、計34名の方々に参加いただきました。
梅乃さんは、高砂屋(屋号)中村梅玉一門の新進気鋭の女方役者。梨園出身ではなく、歌舞伎に魅せられて一般家庭からこの世界に入り、研修生を経て、現在「名題」として活躍されています。歌舞伎役者への道のりについて、ご自身の体験を含めて語っていただいた内容はとても興味深いものがありました。
また、梅乃さんは女方の道を精進されていますが、道を究めるための稽古の大切さ、そして芸を高めることへの情熱には感動しました。役作りのための衣装に関することや化粧については、楽屋風景から舞台の裏方の話まで丁寧に解説いただき、その裏話もたくさんお聞きすることができました。私たちが日常体験しない日本文化を極め、継承する役者の方々の真剣な取り組みにはただただ感心するばかりのひと時でした。
歌舞伎の歴史を聞く中で、能は武家文化、歌舞伎は庶民の文化が起源とのことでした。そうした背景から、歌舞伎は古典芸能にととまらず、ワンピースなどをテーマにした今日的な舞台も行われ、イノベーション的展開もすすめられているとの紹介もありました。
梅乃さんは、もっとたくさんの人達に歌舞伎の魅力を知ってほしいと常に考えているとのことです。梅乃さんの凛とした立ち居振る舞い、そして熱意あるお話を聞いて、これを機に、一度実際の舞台も見てみたいとの参加者の声も多数ありました。
知れば知るほど面白く興味深い歌舞伎の世界、今回も楽しい夕べになり、好評でした。